ハンドルミシンで使われる糸
ハンドルミシンのステッチはチェーンステッチしかできないので、輪っかの大きさや糸締まりのバランスで表情を作っていきます。その前に代表的に使用される糸をいくつか挙げてみようと思います。
アクリル糸(パールヨットのソフテーヌGなど)
毛糸のような糸のイメージです。太さもあり弾力もあります。シニール刺繍の時はこのモコモコした糸の特性を活かせるのでおすすめです。ハンドルミシンを使う方はまず持っている糸ではないでしょうか。チェーンステッチで生み出される風合いのワッペンにはこの優しい毛糸の風合いが選ばれることが多いと思います。ただこの毛糸の風合いは糸がモサっとなるので、細かい刺繍には向かない場合があります。
レーヨン糸(ロックミシン糸など)
アクリル糸とは異なりまず艶があります。細さはアクリルより細い糸が多いように思えます。ただ太めのデニール(300D)でチェーンステッチ刺繍をすると艶もありボリュームのあってゴージャスが雰囲気を出すことができます。ただ艶のメリットはグラデーション刺繍をするときにはデメリットになります。近侍色でグラデーション刺繍をしようとすると艶のせいでぼやけます。レーヨン糸でグラデーションをする場合はアクリル糸の時よりもはっきりとした色を選ぶと良いかもしれません。チェーンの輪っかは糸が太いロック糸であれば綺麗に出てきます。
コットン糸(グンゼのカタンなど)
ジーンズなどのコットン、洗濯できるアイテムへ使われることが多い糸です。特徴は経年変化して色が変化していくことでしょう。またレーヨン糸とは異なり艶消しです。ただ100%のコットン糸は高価な場合が多いです。ビンテージのジーンズなどの裾はコットン糸でチェーンステッチされています。
ポリエステル糸(スパン糸など)
ポリエステル糸の特徴は強度があることです、また天然素材ではないので糸では比較的に安価の場合が多いです。太い糸ですとチェーンステッチも雰囲気が良くコットン的な風合いになります。ただなんとなくではありますが少し硬い印象なので、アクリル糸とは異なる雰囲気になります。
アクリル/コットン混合糸(エンゼルキングのハーフなど)
毛糸の風合いとコットンの風合いをちょうど良く合わされた混合糸です。アウトラインや小さいなアルファベットの刺繍などに適していると思っています。チェーンステッチの輪っかがセッティングにもよりますが、はっきりと出ます。