ラッパとは
ラッパとはその形状からの呼び名で爪付きラッパや回転式ラッパなど様々なラッパがあります。この道具は縁テープを布に綺麗に縫製するための補助器具のような道具です。縫製を生業にしている方であればまず1つ以上はお持ちであると思います。当店では8つほど工房にあります。
ミシンと同じで1つあれば万能でどんな縁テープでも綺麗に巻ける、のようなラッパはなく、テープのサイズ毎、カーブ用、直線用、などと用途によって様々な種類が存在します。
当店では海外サイズのテープを縫製することが多いため、インチサイズに合わせて特注して製作して頂いています。
このラッパは押さえもセットになっていることが多く、さらに針板や送り歯もセットになっている場合も多いです。特に押さえはそのラッパの専用品を使わないとまったく縫えないことも多いです。
直線は比較的容易だが
このラッパは極論で言えれば、直線の場合であればクリップや手で押さえながら縫製すれば特に問題なくできるでしょう。しかしカーブとなるとそうはいきません。ほとんどはアウトカーブと呼ばれる曲線が主になると思いますが、インカーブになると急にテープが寄れてしまったり、抜けてしまったりして綺麗に縫製できないことも多いです。当店でも初期は苦労しました。
イメージとしてはひょうたんの形にぐるっと一周縁テープを巻くとなるとアウト、イン、アウト、インカーブになり綺麗に縫製するにはコツもいりますがそもそものラッパも専用のラッパが必要です。回転式ラッパはアウトカーブ用、爪付きラッパはインカーブ、アウトカーブ用として使い分けています。
押さえを改造して使う
縫製業の方は自分の使いやすいように押さえを削ったりして自作をすることが多いです。当店も厚みがあり、さらに硬く、テープも硬い場合などは既製品ではまず縫製できないため、押さえを改造します。
また腕ミシン用、平ミシン用で押さえを使い分けます。
画像のラッパは腕ミシン用、アウトカーブ、インカーブ用、厚み、硬さ、海外インチ用、となっていてさらにプラ板を挟んで縫製する箇所にテープを巻くというかなり局所的に使用する場合にはこのような変則的な改造押さえを使います。
縫製は綺麗に縫えない場合、そもそも技術が足りないことも多いですが、用途に合っていない道具を使っている、ということも多いです。こればっかりは経験でカバーしていくしかないですね。